振袖は成人式のためだけの着物だと思われがちですが、実は成人式以外にも着られる場面があります。成人式が終わったあとに「もう着る機会がないのでは」と感じる方も多いですが、振袖の意味や使い道を知れば、長く楽しむことができるでしょう。本記事では、成人式以外で振袖を着るシーンや考え方を紹介します。
成人式に振袖が選ばれてきた理由とは
成人式といえば振袖、というイメージをもつ方は多いのではないでしょうか。実際に、振袖は成人式という特別な日にふさわしい意味や役割をもつ着物です。なぜ多くの人が成人式に振袖を選ぶのか、その理由を紹介します。
未婚女性の第一礼装
振袖は、未婚女性が着られる着物の中でもっとも格式が高い装いとされています。「第一礼装」と呼ばれ、正式な場に着用するための着物として位置づけられています。
成人式は、大人として社会に出ることを祝う大切な節目です。そのような改まった行事には、もっとも格式の高い装いで臨むのがふさわしいと考えられてきました。
厄を払い新たな一歩を踏み出す意味
振袖の長い袖には、昔から特別な意味が込められています。袖を振る動作には、厄を払い、身を清めるという考え方があります。そのため、厄払いの意味をもつ振袖は、成人式の場に合った装いとして受け継がれてきました。
特別感と日本の伝統を感じられる装い
現代では、日常生活の中で着物を着る機会は多くありません。その中で成人式は、振袖を着て特別なおしゃれを楽しめる貴重な機会です。また、振袖を通して日本の伝統や文化に触れられる点も大きな魅力です。華やかな振袖姿は写真にも残り、大人への門出を実感できる思い出として心に残るでしょう。
成人式以外でも活躍する振袖の着用シーン
振袖は成人式のためだけの着物ではありません。華やかさと格式をあわせもつ振袖は、人生の節目やお祝いの場でも活躍します。ここでは、成人式以外で振袖を着られる代表的なシーンを紹介します。
結婚式や披露宴への参列
未婚女性の正式な装いとして、親族や友人の結婚式や披露宴に振袖で参列することができます。洋装が多い場では、振袖姿が会場を華やかにし、お祝いの気持ちがより伝わります。
ただし、花嫁より目立ちすぎないよう、色柄の選び方には配慮が必要です。
卒業式での袴スタイル
卒業式では、振袖に袴を合わせた着こなしが定番です。成人式で着た振袖をそのまま使えるため、新たに着物を用意する必要がありません。袴を合わせることで、落ち着きのある大人っぽい印象になり、学生生活の締めくくりにふさわしい装いになります。
結納やお見合いの場
結納は、結婚前に行う格式の高い儀式です。その場にふさわしい装いとして、振袖は選ばれてきました。また、料亭やホテルなどで行われるお見合いの場でも、振袖は上品でていねいな印象を与えます。
控えめな色合いを選ぶことで、落ち着いた雰囲気を演出できます。
パーティーや祝賀会
授賞式や会社の祝賀会など、フォーマルなお祝いの席でも振袖は着用できます。格式のある装いのため、場の雰囲気を損なうことがありません。とくに海外の方が多く集まる場では、日本らしい装いとして注目されることもあります。
正月や初詣の行事
お正月は「ハレの日」とされ、振袖を着るのに適した時期です。初詣に振袖を着ることで、新年を特別な気持ちで迎えられます。毎年の恒例行事として取り入れれば、振袖を着る機会を自然に増やすことができます。
振袖の購入とレンタルの考え方
振袖を用意するときに悩みやすいのが、購入するかレンタルにするかという点です。成人式だけで終わらせるのか、その後も着る予定があるのかによって、向いている選択は変わってきます。振袖の使い道を整理しながら、それぞれの考え方を見ていきます。
購入する場合に考えておきたいポイント
振袖を購入する一番のメリットは、長く使える点です。成人式以外にも結婚式や卒業式、初詣などで5回から6回以上着る予定がある場合は、レンタルを重ねるよりも結果的に費用を抑えられることがあります。
また、購入した振袖は思い出の品として手元に残り、将来は娘や孫へ受け継ぐこともできます。さらに、自分の体形に合わせて仕立てられるため、着たときの見た目がきれいに整いやすい点も魅力です。帯や小物を変えることで、同じ振袖でも雰囲気を変えた着こなしが楽しめます。
なお、成人式後に振袖を着なくなった場合でも、袖を短くして訪問着に仕立て直す方法があります。訪問着になれば、入学式や卒業式、七五三など、幅広い場面で着用可能です。着物としてだけではなく、バッグや小物などに作り替えて使うこともでき、形を変えて残せる点も購入ならではの魅力です。
レンタルを選ぶ場合に向いている考え方
成人式以外ではほとんど振袖を着る予定がない場合は、レンタルのほうが負担を抑えやすいです。購入に比べて初期費用が少なく、必要なときだけ利用できるため、無駄が出にくい選択といえます。
また、着用後のクリーニングや保管を気にしなくてよい点も、レンタルの大きな利点です。着物の手入れや収納に不安がある場合でも、気軽に振袖を楽しめます。デザイン面でも、レンタルは選択肢が広がります。
長く着る前提ではないため、その年の流行を取り入れた色柄や、少し個性的な振袖にも挑戦しやすくなるでしょう。成人式ならではの華やかさを重視したい場合にも、レンタルは取り入れやすい方法です。
まとめ
成人式に振袖が選ばれてきた背景や意味を知ると、振袖が特別な装いであることがよくわかります。さらに、結婚式や卒業式、正月行事など、成人式以外にも着られる場面が多い点も振袖の魅力です。一方で、着用回数や保管の手間を考えると、必ずしも購入が最適とは限りません。必要なときに気軽に選べて、手入れの心配も少ないレンタルは、振袖を無理なく楽しみたい方にとって取り入れやすい選択肢といえるでしょう。
