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成人式などで着用する振袖は、華やかな帯の結び方も注目すべきポイントです。ひとえに帯といってもさまざまな結び方があり、振袖の印象が大きく変わります。そこで本記事では、基本から変わった結び方まで紹介し、着付け師にオーダーするときの方法についてもなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
お祝いの席にふさわしい帯の結び方がある
振袖は、未婚女性の第一礼装として特別な意味を持ち、成人式などのお祝いの席で着用されることが多い衣装です。
その際に重要となるのが、帯の結び方です。振袖の印象を大きく左右するポイントであり、どのような形、ボリューム、色、デザインにするのかが重要となります。とくに成人式のようなお祝いの場では、振袖にあわせた「華やかな結び方」が基本とされています。
晴れの日にふさわしい、豪華で華やかなものが選ばれやすい傾向にあります。一方、既婚女性が着用する留袖や訪問着の場合は、落ち着いた雰囲気を持つ「二重太鼓」という帯結びが選ばれます。シンプルでありながらも上品さを引き立てるため、結婚後の女性にふさわしいとされています。
このように、場面や着用する人の立場によって適切な形が異なります。特別な場面で自分らしさを表現するためにも、細部までこだわり、その場にふさわしい装いを整えるよう意識しましょう。
振袖におすすめ!基本の結び方とは
帯の重要性について理解しているものの、どのような形状にするのか迷う方も多いでしょう。
そこで、振袖におすすめの基本の帯結び3選を紹介します。それぞれに伝統と美しさが詰まっており、シーンや好みに合わせたアレンジが可能です。
お太鼓系
古くからある伝統的なデザインであり、体に密着するため着崩れしにくいことや、振袖らしい伝統的な雰囲気を演出できることが特徴です。
長時間着用しても着崩れにくいため、成人式当日や結婚式などにおすすめです。基本的な結び方のひとつですが、さまざまなアレンジを加えることができるため、上品さとかわいらしさをあわせ持つ「ふくら雀」のような変わり結びを楽しむこともできます。
鳥が羽を広げたような形が特徴で、振袖にぴったりの華やかさを演出してくれます。
文庫系
リボンのように左右に羽根が垂れるフォルムが特徴で、凛とした雰囲気がありながらも、かわいらしさを感じさせる結び方です。
成人式を迎える若い女性にまさにぴったりだといえます。江戸時代から親しまれている手法であり、調整することでリボンや蝶々のような形など自由に印象を変えられます。美しさとかわいらしさを両方をあわせ持つ結び方であるため、振袖のデザインを問わず、あわせやすいのも魅力です。
立て矢系
後ろから見ると、斜めに広がるボリュームが印象的で、凛としたかっこいい雰囲気を持たせられます。
斜めの羽根が「矢」に見立てられたデザインで、力強さと華やかさを兼ね備えています。羽根を何枚も重ねることで豪華な印象にできる一方で、羽根の枚数を少なくすることでシンプルな形にもアレンジできます。後ろ姿にボリュームを持たせたい高身長の方におすすめです。
結び方によって印象が大きく変わるため、自分らしい帯結びを見つけて、特別な日を華やかに彩りましょう。
変わった結び方をオーダーしたいときは?
成人式や前撮りを行うにあたり「せっかくなら個性的で特別な帯結びがしたい」という方も多いでしょう。
希望のイメージで着付けをしてもらうために、見本となる画像を用意しておくことをおすすめします。成人式や前撮りの着付けが始まる前に、着付け師さんに画像を見せて、具体的なイメージを伝えるとよいでしょう。口頭で伝えるよりも、画像を見せる方がイメージを伝えやすいのでおすすめです。
ただし、画像を持参したとしても、画像どおりのものを再現できるわけではない点には注意が必要です。帯といってもさまざまな長さ、形状のものがあります。そのため、持参しているものによっては画像どおりに実現することができない場合があることに留意しましょう。
とくに、おばあちゃんやお母さんが使用していたものを使用する場合は、現在主流のものよりも長さが短いものが多く、アレンジの幅が限定されることも少なくありません。
しかし、振袖の帯結びは使用する帯の種類や長さでアレンジ方法を変えることもできるので、着付け師さんに確認してみるとよいでしょう。また、写真どおりの結び方ができる場合でも、成人式当日にはおすすめできないケースもあります。
たとえば、着崩れしやすいことから、長時間着る成人式には向かないことがあるからです。そこで、理想的な帯の結び方をイメージしつつ、着付け師さんと相談しながら、結び方を慎重に決めることが大切です。
まとめ
振袖の帯の結び方は、振袖全体の印象を大きく左右する重要な要素です。成人式や特別な場で華やかさを引き立てるため、3つの基本の結び方の特徴を押さえておきましょう。お太鼓系は着崩れしにくく、長時間着用に向いています。文庫系はリボンのような形で、伝統的でありながら可愛らしさも兼ね備えています。立て矢系はボリューム感があり、凛とした印象を与えます。結び方を選ぶ際には、好みや体型に合わせて最適な方法を見つけることが大切です。
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