振袖着用時の基本マナーを身につけると、成人式でキレイな立ち振る舞いができます。着崩れすることもなくなり、凛とした大人の女性に見られるでしょう。そこで本記事では、振袖着用時のマナーを説明したうえで、着崩れしないための注意点も合わせてお伝えしていきます。「帯・裾・袖」が着崩れしないためのポイントです。
振袖着用時の基本的な立ち方・歩き方・座り方
成人式に行く前に、基本的な立ち方・歩き方・座り方を身につけておきましょう。
基本の立ち方
立ち姿をキレイに保つことで凛とした美しさが際立ちます。足は閉じて内股気味にします。手は体の前に組み、顎を引いた状態で背筋をピンと伸ばしましょう。
基本の歩き方
振袖を着ていると動きづらいですが、歩き方にも注意が必要です。歩くときは歩幅を小さくして、一歩を20~30cmにするといいでしょう。このとき、右手を着物の端にそえて、内股気味に歩くとキレイに見えます。歩きづらいからといって、足元を見ながらだと猫背になってしまうのでNGです。
基本の座り方
座るときは、背もたれを使わないのがポイントです。背もたれにもたれかかると、帯が圧迫され崩れてしまいます。また、足を投げ出して座ると印象が悪いので、両足を揃えるようにしてください。
振袖を着ているときに守りたいマナー
続いては、振袖を着ているときのマナーを7つご紹介していきます。
食事の作法
食事するときは食べカスがついたり、ドリンクがハネたりするので要注意です。大判サイズのハンカチを用意しておき、帯の上にかかるように身につけましょう。すべり落ちることもあるので帯の間に挟んでも大丈夫です。また可能であれば、振袖に合うよう和柄のハンカチを持っておくとオシャレです。ほかにも、袖に食べ物がつきやすいので気をつけてください。
袖の長さは1mほどあるのでお皿をとろうとしたり、飲み物をとろうとしたりするときに引っかけやすいので注意しましょう。手を伸ばすときは、片側の手で袖を持つとよいですが、できれば周囲の人にサポートしてもらうと安全です。
トイレの作法
お手洗いの際に注意するポイントは裾と袖です。袖に関してはひとまとめにしてクリップでとめておくと安全です。裾は帯の下までたくし上げ、帯締めにはさみ込みましょう。
最後は、裾と袖が床についていないか確認してから用を足してください。「お手洗いで大変そう」と感じる人も多いですが手順を守れば安心です。
手洗いの作法
手を洗うときの注意点は、袖を濡らさないことです。クリップでまとめてとめておくと安全ですが、無い場合は両袖を帯締めにはさみ込んでください。
乾杯の作法
乾杯するときは、脇を閉めて袖のたもとを抑えてください。基本的に手をのばしたり、上げたりするときは、たもとを抑えることを心がけましょう。
階段の上り下りの作法
階段の上り下りは、裾を引きずりやすいので気をつけましょう。手で振袖の端を持って、ゆっくり階段を上り下りしてください。裾を上げすぎたり、大股になったりすると見た目がよくありません。
モノを拾うときの作法
モノを拾うときは、袖が床につかないよう片方の手で両袖を持ってください。腰を落とす際に、裾が広がることがあるので両ひざを揃えてゆっくり拾いましょう。
写真を撮るときの作法
写真撮影のときは背筋を伸ばし、顎を引き、手を体の前で軽く組むとキレイな形になります。襟元は乱れやすいので撮る前にととのえておくとよいでしょう。
振袖を着ているときに気を付けたい注意点
最後の章では、振袖を着ているときの注意点を3つご紹介していきます。
振袖用の下着を身につける
一通り買い揃えるときに見落としがちなのが下着です。基本的には、洋服用の下着で問題ないですが、ウエスト近くまである深めのショーツは避けましょう。お手洗いの際におろしづらかったり、着崩れの原因になったりします。
また、レースやフリルがついたものもNGです。凹凸があるショーツはラインが透けるので見た目が悪くなります。オススメなのがローライズのショーツまたは、シームレスタイプです。腰骨の下にくるような浅履きタイプだとトイレに手こずることも、着崩れすることもありません。
また、下着の線が出にくいので安心です。ブラジャーは、普段使いしているようなワイヤー入りは避けてください。振袖は締め付けが強いので、ワイヤー入りだと窮屈になってしまいます。スポーツブラか和装ブラがストレスなく着用できます。ソフトなつくりなので、締め付けがなくすんなり振袖を着こなせるでしょう。
雨対策をしておく
雲一つなく晴れてくれればいいですが、雨対策をしておくと安心です。振袖は雨や雪などの水分に弱いので「急な雨でビショビショになった」ということがないようにしましょう。
普段使っているものより大きな傘を用意してください。振袖には帯があるので、背中をしっかりカバーしてくれるサイズが適しています。足元が濡れるおそれもあるので足袋カバーも必須です。草履は靴のように足元を守ってくれないからです。
また、雨コートを準備しておくのもよいでしょう。雨コートとは、レインコートのように体全体をカバーしてくれるので濡れる心配がありません。
車の乗り降りに気をつける
会場に移動中の車内で着崩れしてしまうパターンがあります。座っているときに背もたれを使うことで、帯が崩れてしまいます。また、乗り降りするときに裾や袖を引っかけてしまいやすいのでクリップでとめたり、手でまとめたりしてください。
まとめ
本記事では、振袖着用時のマナーや注意点を解説してきました。立ち方・歩き方・座り方などを注意することで着崩れ防止になります。また食事やモノを拾うときは、片方の手で袖をまとめることで汚れたり、引っかけたりする心配が無くなります。
急な雨や雪のおそれもあるので、傘や雨コートの準備もしてください。注意点やマナーを知っておくことで、安心して成人式を迎えられるでしょう。