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大振袖・中振袖・小振袖の違いとは?着用シーンごとの使い分けを解説

公開日:2024/12/15 最終更新日:2024/05/29
振袖

振袖の種類と着用シーンの使い分けについてお伝えします。振袖には、3つの種類があり、それぞれ着用シーンは異なります。しかし、普段から着物に馴染みがないので、着用シーンに適した振袖が分からない、という方も多いのではないでしょうか。振袖の種類ごとの特徴や着用シーンごとの使い分けなど、詳しく紹介します。

振袖の種類ごとの違いや着用シーンごとの使い分けについて、詳しく紹介します。

振袖の袖が長いのには理由がある

振袖とは「振り」と呼ばれる長い袖が特徴的な、未婚女性の第一礼装です。振袖の袖が長いのには、厄払いや良縁を引き寄せるなどの理由があります。振袖の袖が長い理由を紹介します。

厄払い

振袖の袖が長い理由のひとつに、厄払いがあります。なぜ厄払いなのかというと、日本古来の風習である「魂振り(たまふり)」が、由来とされているためです。魂振りとは、ものを揺り動かすことで神様を呼び起したり、エネルギーを高められたり、厄払いにつながると考えられてきた風習です。

神輿を激しく揺らしたり、神社の鈴を揺さぶって鳴らしたり、いってらっしゃいと手を振る行為も魂振りが由来。振袖の袖を振る様子も魂振りのひとつであり、長い袖で厄を払うと伝えられています。女性の本厄は19歳のため、成人式に振袖を着用することで、厄を払ってくれると考えられています。

良縁を引き寄せる

振袖の袖が長いのには、良縁を引き寄せるという意味も込められています。言葉で愛情を表現できなかった時代では、女性が袖を振ることで、自分の想いを異性に伝えていました。袖を前後に振ると嫌い、左右に振ると好きなど、さまざまな仕草で気持ちを表現。

袖を振る仕草は、振る・振られたなどの語源になったともいわれています。先に紹介した魂振りによって、良縁を引き寄せられると考えられていたため、振袖は未婚女性の着物とされてきました。

未婚・若い女性の証

振袖の長い袖は、若さの象徴でもあります。江戸時代になるまでは、男女問わず袖の長い着物を着用していました。男の子は、元服の儀により袖が短くなる風習があり、女の子は結婚するまで袖の長い着物を着用します。

そのため、振袖は、未婚の女性や若い女性の証とされてきました。現在でも、未婚・既婚によって、着用する着物が異なります。

振袖には大振袖・中振袖・小振袖の3種類がある

振袖には、以下の3種類があります。
・大振袖
・中振袖
・小振袖
袖の長さによって格式や用途が異なります。それぞれ解説します。

大振袖

3種類の振袖の中で、最も格式が高い大振袖です。大振袖の袖は、約114~125cmの長さで、くるぶしあたりまでになる長い袖が特徴です。地色が黒・白・赤の大振袖は、花嫁衣装として明治時代ごろから着用されてきました。

中振袖

さまざまなお祝いの場で着用できる中振袖。中振袖の袖は、約91~106cmの長さです。袖は、ふくらはぎあたりまでの長さがあります。フォーマルなシーンで、幅広く着用される振袖です。

小振袖

小振袖は、最も袖が短くカジュアルに着こなせる振袖です。小振袖の袖は、約76~87cmの長さです。二尺袖とも呼ばれており、ぴったりサイズでは、袖が膝あたりまでになります。可愛らしさを演出できるため、気軽に振袖を楽しめるでしょう。

振袖の長さによる着用シーンの違い

振袖の長さによって、着用シーンに違いがあります。大振袖・中振袖・小振袖には、それぞれ適した着用シーンがあるため、理解しておくとよいでしょう。振袖の種類ごとに適した着用シーンを紹介します。

婚礼衣装として花嫁が着用する大振袖

大振袖は、最も格式が高い振袖のため、婚礼衣装として花嫁が着用するものです。華やかな印象なので、結婚式のお色直しの衣装としても選ばれています。

あえて長い袖を引きずるように着つけるため、引き振袖やお引きずりとも呼ばれている大振袖は、特別な振袖として、おもに花嫁衣装として着用されていました。しかし近年では、身長が高い女性も多いことから、成人式でも大振袖を着用する方が増えています。

成人式などフォーマルなシーンで選ばれる中振袖

成人式などのフォーマルなシーンで選ばれる中振袖。成人式のほかにも、初詣やパーティー、式典、結婚式に招かれた場合など、幅広いシーンで着用できます。中振袖は、振袖の中でもっとも需要が高いため、デザインや色が豊富です。

卒業式など気軽に振袖を楽しめる小振袖

カジュアルな印象の小振袖は、卒業式でブーツや袴と合わせて着用される振袖です。お茶会や観劇など、気軽に振袖を楽しめます。

まとめ

この記事では、大振袖・中振袖・小振袖の違いと、着用シーンの使い分けについてお伝えしました。振袖の袖が長いのには、理由があります。振袖の長い袖を振ることで、厄を払ったり、良縁を引き寄せてくれたり、日本古来の風習である魂振りが由来です。

振袖の種類は、袖の長さによって、大振袖・中振袖・小振袖に分類。それぞれ用途や格式が異なります。大振袖は、最も格式が高いため、婚礼衣装として選ばれている振袖です。中振袖は、成人式や結婚式に招かれた場合に着用。

小振袖は、卒業式などで着用できるカジュアルな印象の振袖です。それぞれの振袖の用途や違いを参考にして、着用シーンに合った振袖を選んでみてはいかがでしょうか。

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